正しくコストを削減することと、正しく利益を出すことはほぼ同じ
「利益を増やすのには頭を使うが、コスト削減は馬鹿でもできる」
という話がある。無茶なコスト削減によって、状況がより悪化するようなやり方であれば、というわけだ。
だが実際のところ、コストの最適化は必要なものであるし、そして容易でもない。
「正しく」削減することは。
そして、これは利益を出すこととそもそもほぼ同様の行為でもある。
なぜか。基本的に無限のリソースがあれば、無限の利益が出せるからだ。
百億人の労働者がいれば、いくらでも工場を動かせる。
百兆台のサーバーと必要なネットワークがあるなら、ITリソースは尽きない。
百京トンの金鉱脈を所有していれば、それを売るだけで世界一の富になる。
無尽蔵の資金があるなら、必要なものを必要なだけ、あるいはそれ以上に揃えることで、いくらでも超一流の商品を送り出して富を得られる。
ただし、採算が合うとは限らないが。
つまるところ、利益を出すとは「有限のリソースを投じてコストを上回るリターンを得る」ことを指す。そのための戦略や構造が目指されるものだ。
正しいコスト削減も同じだ。現状投じているリソースとそのリターンの構造が、真に最適化されているかを探る。理想形を見出す。
ゼロからプランニングをすること自体が、コストの最適解を見出すことに他ならない。
無駄を省く――というと、聞こえが悪いこともある。
だが、実のところ目指すべき地平は似通っているのである。